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5月21日(土)佐賀清和高校で保護者向けの講演会をおこないました。

ForesightAct-キャリア教育 ForesightAct 高校でのプログラム

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5月21日(土)、佐賀清和高校で保護者向けの講演会をおこないました。

今回の取り組みは、佐賀清和高校としても弊社としても初めての取り組みで、高校の担当の木村先生も、弊社担当の西田もかなり気合いが入っていました。

パネルディスカッションの形式で、4つのテーマについて討論をしました。 パネリストは福岡工業大学 学長の下村輝夫さん、株式会社Fusic 取締役副社長の浜崎陽一郎さん、そして南福岡自動車株式会社 代表取締役社長の江上喜朗さんのお三方です。

コーディネーターは、株式会社キャリア研究所 代表取締役の園田博美さんと弊社の西田が務めました。園田さんには、キャリアコンサルタントとしてだけでなく、高校生のこどもを持つ保護者として、同じ目線でコーディネートしていただきました。

会を通して保護者の方に考えてもらいたかったことは、次の二点です。 これからの社会がどうなっていくのかということ。そのことを踏まえて子どもといかに高校時代を過ごすのか、将来設計や進路選択はどうするべきか、ということです。

テーマ① これからの社会はどうなっていくのか

はじめに、これからの社会をイメージしやすいように動画を見てもらいました。 この動画は、今まで社会がどのように変化してきて、これからどうなっていくと予想されるかを投げかけます。

例えば、「2010年に需要のある仕事上位10位は、2004年にはまだ存在していなかった」「1984年にインターネットに接続されていた機器は1,000件。2008年には1000,000,000件。」ということが紹介されます。

動画を見た保護者の方の感想です。↓ 「今まで考えもしなかった内容だったので考えるきっかけになった。すごく興味がわいた。」「理解より普及のほうが早いことへの懸念。」「感じているより時代の流れが速い。親と子供の情報環境に差がある。」「子どものスマホの使用時間に悩まされることが多いが、情報化社会の進展を考えさせられたとともに、時代に対応できる人材が必要だし、環境にとりこまれるのではなく的確に取捨選択できる能力が必要だと思った。」

まず浜崎さんに、これからの社会がどうなっていくのかをお話ししていただきました。

浜崎さんは“シンギュラリティ”という言葉を紹介してくださいました。人間が後戻りできないくらい変わってしまう、来たるべき未来のことを指す言葉です。多くの科学者の間で、2045年がその分岐点であると言われているそうです。しかし孫正義さんはもっと早くその時代が来ると言っていますし、そんな時代は来ないと言っている人もいるそうです。

下村さんは、子どもにしてほしい3つのことをお話しされました。それは、夢をもつこと、「ありがとう」と言うこと、人脈を広げることです。

このあとコーディネーターから、動画内容の確認もかねてこれからの社会について三点お話をさせていただきました。

一点目は、キャリアデザインが重要になってくるというお話です。2012年の総務省「就業基本調査」によると、新規学卒者の非正規採用の割合は、男性 35% 女性 53%となっています。

二点目は、グローバル化が進み海外の学生との競争が激しくなるということをお話ししました。2014年の日本経済団体連合会の調べによると、63.7%の企業が外国人留学生を採用しています。

そして最後に人間だけでなく人工知能との戦いをすることになるというお話をしました。オックスフォード大学の教授が、論文の中で10年後に消える仕事を示しています。現在の非正規雇用率を見ても、これからは、今まで以上にキャリアデザインをしっかりして、海外の学生にもロボットにも負けない心と力を身につける必要があることをお話ししました。

このテーマについての保護者の方の感想です。↓ 「ITの時代になっていくのだろうが、ついていけない者はどうなるのか?」「親として進化についていけるか?子供にアドバイスできるか?」「不安感をあおられた。見極める力が大切になっていくのかなと。期待することもたくさんある気もしました。」「子どもにも同じ質問(これからの社会はどうなっていくのか)を投げかけてみようかと思いました。」

テーマ② これからの社会を生きるためにどんな力が必要か

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次のテーマは「これからの社会を生きるためにどんな力が必要か」です。

江上さんは長所が必要だとおっしゃいました。自分はこれでやっていこう、というものを見つけることです。自分らしさを見極めることが必要になってきます。

浜崎さんは、自分で問いを立てる力だとおっしゃいました。本当に欲しいものを見つけ出す力です。

江上さんはこのお話を受けて、問いかけには外部(社会)に対するものと内部(自分)に対するものの2種類があるという意見を出してくださいました。

コーディネーターからは、テーマに対する一つの考えとして“21世紀型スキル”を紹介しました。

21型スキルとは、メルボルン大学、マイクロソフトインテル、米通信機器大手のシスコシステムズらの呼びかけで立ち上げられたプロジェクトが発表した、21世紀に必要とされるスキルのことです。まさにこれからの時代を生き抜くために必要だと言われる能力です。

このテーマについての保護者の方の感想です。↓ 「いろいろな経験をし、失敗したときにどのようにして乗り越えたかが後で重要になると感じた。」「子供も大人もみんなが自分自身で考えていかなければならないと思う。」「コミュニケーション能力が必要といわれるが、どのように身に付けるのか?」「自分を信じて自分の長所を伸ばしていってほしいのですが、果たしてそれが通用する社会なのか。」「自問自答しながら自分に必要な力を見つけていく。」

テーマ③ これからの大学はどうなっていくのか 大学で何を学ぶべきか

次のテーマは「これからの大学はどうなっていくか」「大学で何を学ぶべきか」です。

まずはコーディネーターから、高大接続、一体改革答申についての確認を行ないました。

いま、新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校、大学教育、大学入学者選抜の改革がなされています。具体的には、能動的学修(アクティブ・ラーニング)の充実などに向けた教育改善、知識量のみを問う「従来型学力」と入試の改善です。

下村さんは、英語でもコミュニケーションが求められる。ペーパーテストでないところを重視するようになるとおっしゃいました。知識だけでなく思考力、主体性が求められます。

浜崎さんは、いま自分がスタート地点にいるとしたら、大学ではゴールとそこに行く道筋を教えられるが大学院ではゴールしか教えてもらえないというお話をされていました。だから、自分がいま何をしないといけないか考える力をつけるべきだとおっしゃっていました。

また、浜崎さんは大学にいる間にいろいろなところに行って、充実した時間を過ごしてほしいという考えをお持ちでした。専門分野を学ぶことも大切だが、それよりも多様なものに触れて世の中について学ぶほうが大事だとおっしゃっていました。

江上さんは、質問をする講義が大事だとおっしゃいました。考えて発表して質問をして…という学びの場に慣れている人はやはり他の人とは違うそうです。質問を投げかけて自分で考えさせる教授のもとで学ぶのがよいというお考えでした。

下村さんは夢を持って着実に実行していき、自分で道を切りひらいていってほしいとおっしゃっていました。

このテーマについての保護者の方の感想です。↓ 「時間の使い方によって、より世界観を広げることができる大学時代にいろいろな経験をしてほしい。」「高校一年の学習が大切とのことでしたので、勉強を見直しさせたいと思います。大学では社会に出るためのコミュニケーション能力、自分で考える力を身につけることが大事だとさらに感じました。」「目的を持ち、主体的に積極的に臨まなければならないと感じました。」「専門性を学ぶと同時に、社会性・人間性を学び発揮する行動に自ら取り組んでほしい。」

テーマ④ 高卒と大卒の違いは?

最後のテーマは「高卒と大卒の違い」です。このテーマについては、まず江上さんからお話をいただきました。

江上さんの会社では、高卒社員が活躍されています。新入社員の中でMVPを獲ったり、おもてなしアンケートで1位になったりしているそうです。また司会のとても上手な方もいらっしゃるそうです。

人格に学歴は関係ないし、先入観がないために頭の柔らかい人が多いとおっしゃっていました。人格的に優れていれば知識・技術はついてきます。

また、高卒の社員は「育てよう」という意識がより強くなり、組織全体でよくなっていけるそうです。

浜崎さんは、「極める」ことは早いうちからするのがよいとおっしゃっていました。好きであればのめりこんで、社会に出てまたもまれていくのだというお考えでした。

下村さんは、高卒、大卒、その時点に合った力をつけることが大切だと考えられていました。

コーディネーターから、高卒での就職を希望する保護者に二つメッセージをお送りしました。一つ目は、江上社長のように高卒を人財としてみてくれている会社かどうかを、子どもや先生とともに見極めてほしいということです。二つ目は、高卒で就職する仕事の中には、先ほど紹介したような「消える仕事」「なくなる仕事」と言われているものが多いことを踏まえて、万が一就職した会社がつぶれてもセカンドキャリアに移行しやすいよう、高校でしっかりとした基礎力を高めておく必要があるのではないかという内容です。

このテーマについての保護者の方の感想です。↓ 「学歴ではなく、人間性や能力を磨くことが大事。」「自分で考え、伝える力があれば大丈夫。」「高校三年間で子供と進路についてじっくり考えていきたい。」「人間性を見ていただけることに安心すると同時に、わが子のアピールの下手さが心配になった。」「実体験から見て、あまり関係ないと思う。」

質疑応答

会の一番はじめに、「企業の経営者や大学の先生に聞いてみたいこと」をアンケートに記入していただきました。そこに書かれてあることをスタッフがいくつか拾い、質問に答えました。

挙がった質問は、浜崎さんへのお尋ね「どのようなきっかけで大学生のときに起業しようと思ったか」。

浜崎さんの頃はちょうど就職氷河期と言われていた時代だったそうです。働いている人は誰でも目が死んだようになっていて、浜崎さんはこの人たちと働いたら自分も目が死んでしまうと考えました。自分は顔をあげて、上を向いて仕事をしたい。でもそのような会社がなかったため、会社を立ち上げたそうです。

最後のメッセージ

最後に、パネリストのお三方から一言ずついただきました。

下村さん「保護者の方に、子どもとの接し方について三つお願いがあります。一つ目は押し付けないこと。社会の価値観は変わっていっています。二つ目は与えすぎないこと。いいものの味をしめたら戻れなくなります。そして三つめは寄り添うことです。」

浜崎さん「自分の子どもにどんなことを言いたいか考えると、思考体力をつけてほしいということが出てきます。考え続ける持続力と、体が健康であることも大切です。」

江上さん「自分の会社の社員を見ていると、一人一人に必ず長所があります。世の中これが大事だと画一的にしてしまいがちですが、持っている長所を伸ばすほうがいいです。長所を伸ばした結果が、まさにここにいるパネリストの人たちなんでしょう。その子が幸せになれるかどうかはその子の内側にあるはずです。」

コーディネーターの園田さんは、まとめとして「コーディネーターとして参加致しましたが、皆さんと同じイチ高校生の子どもを持つ親としても考えさせられる面白い内容でした。私たちは「知っていること」しか教えられない。だから子どものキャリアを考えるときに、自分たちが知らないことから目をつぶってはいけないと思います。今日のパネラーの方々のお話しを伺い、見解が広がった人もいると思います。最後にキャリアコンサルタントとして、大人である私たちが子どものキャリアを決めつけない。子どもと一緒に考える、想像したことをアウトプットさせるような関わりをすることも大事だと感じております。」というお話をしてくださいました。

西田からは、今回アンケートにご記入いただいた「これからの社会がどうなっていくか」「これからの社会を生き抜くためにどんな力が必要か」という内容を親子間で話し合ってもらい、家族の考えを深めていってもらいたいというお話をしました。ただし、下村学長がおっしゃるように、「自分たちの価値観を押し付けすぎない」「情報を与えすぎない」ことがポイントになると思います。今回は一つの話題提供なので、引き続き保護者のみなさんには情報収集をしていただきたいとお伝えしました。

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高校の先生方からは「感動!」の一言をいただきましたし、保護者の方々のアンケートもたくさんご記入いただき、「新しい社会が学生に求める資質とは。これからの社会に進む生徒に保護者がどう関わるか」というテーマに相応しい内容だったのではないでしょうか。

登壇いただいた下村学長、浜崎副社長、かめらいだーさん、コーディネーターを務めていただいた園田さん、誠にありがとうございました。