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2月20日(土)に糸島農業高校でガイダンスを実施しました。 テーマは“Create the Future”です。

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今回のガイダンス、司会進行は大学生に任せました。

グループワークや先輩たちの話を入れながらガイダンスを進めていくやり方です。

我々大人が語りすぎるよりも身近な大学生に感想を話してもらいながらの方が生徒はリアリティを感じるからです。

また糸島農業高校進路指導ご担当の江藤先生が、JR九州に就職した卒業生と麻生工科自動車大学校に進学した卒業生を呼んでくださいました。

自分探しよりお手本探し

先輩の話からお手本となる考えを探して、今日の時点での自分の進路を言語化してほしい。 これが今回のガイダンスに込められた想いです。

キャリア教育を15年間追究してきて、1つわかったことがあります。 それは、高校生が自分の力だけで夢や志を言語化するのは難しいということです。

高校生の胸の中に大事にしている人生観があるのは事実だと思います。 ただそれを自分の力だけで自覚すること、言葉にすることは大人でも簡単には出来ないということです。

そこで私はいつも高校生に“自分探しよりお手本探しをしよう”と伝えています。

ただ、お手本となる“人”はそうそう見つかりません。なので私はお手本となる“考え”をたくさん探そう。良いお手本だけでなく悪いお手本(反面教師)もたくさん探そう。それらの考えを総合的にみて、自分の考え、価値観を探してみようというメッセージを送りました。

具体的にどんなメッセージかというと、この日は大学生・専門学校生・社会人がそろっていて“お手本”がたくさんいます。一つでも多くの“お手本”を今日探してほしい。といった内容です。

進学と就職、それぞれのイメージは?

一つ目のグループワークでは、大学・短大・専門学校・就職、それぞれのイメージについて考えてもらいました。

高校生にとってこれら4つは、一番近い進路の選択肢です。まずはそこから考えてもらおうというのがこのグループワークのねらいです。

生徒の書いた意見を紹介します。

大学のイメージは…

“自分の夢や進路を広げる場所”“ゆっくり学べるからおもしろそう”“誰でも入れる(おじさんとか)”

短大のイメージは…

“大学より短いぶん勉強が大変そう”“短い時間だけどいろいろなことができると思う”“夢は決まっているけどよく勉強できていないから、短い時間、勉強に率先して取り組む”

専門学校のイメージは…

“自分の好きなことが専門的に勉強できて、その後自分に合った仕事に就ける”“自分の将来の夢につながることができるから楽しそう”“将来が決まっている人が行く”

就職のイメージは…

“社会の一部になる”“お金をもらうのでやりがいがあると思う”“いろいろな人との関わりができて楽しそう”“上下関係”

さて、この高校生のイメージ予想は当たっているのでしょうか?

先輩たちが“実際”をお話ししました。

実際

JR九州に入社した卒業生

「実は社会に出てこそ勉強しなければいけません。例えば私はほとんどの駅の名前を覚えました。また、社会に出てからは挨拶が大事です。高校生の時は面倒だと思っていたけど、大事なことでした。今は周りの人とどうにかコミュニケーションをとろうと頑張っています。」

司会の短大生

「忙しいというイメージがあるとおり、確かに一年生の春休みは就活で埋まってしまいます。でも、空いた時間をどう過ごすかで忙しいかそうでないか違うのではないでしょうか。」

司会の大学生

「高校生のみなさんが自由なイメージと書いていましたが、そのとおりだと思います。髪型も服装も好きなようにできるし、時間割も自分で組みます。でも誰からの指示もない分、自分から行動しなければいけません。」

麻生工科自動車大学校に進学した卒業生

「もともと好きだった自動車の道に進みました。専門的な内容のため勉強のハードルが高く、勉強しなければ!という気持ちになります。でも自分の好きなことなので頑張れます。」

このワークによって大学に行こうと思っていた生徒も専門学校や就職について考えることができました。その逆もあります。生徒の視野が広がり、進路について改めて考える良いキッカケになったのではないかと思います。

学問と職業はつながっている

二つ目のグループワークでは、「文系」「理系」それぞれに属するワードを挙げ、そこから連想される職業を書き出してもらいました。

例えば、 文系に属するワードは“理科”→そこから連想される職業は“科学者” というような感じです。

このワークプログラムは高校生に職業の多さを知ってほしいと思ってつくりました。

では生徒がどのようなことを考えたのか紹介します。

文系のイメージとそこから連想する職業は…

国語 → 学校の先生、小説家

英語 → 通訳

国際的 → キャビンアテンダント

歴史 → 考古学者

理系のイメージとそこから連想する職業は…

計算 → 研究者

工業 → エンジニア

医学 → 医者

機械 → 整備士

学問が仕事にどのようにつながっているのか。また、仕事が学問とどのようにつながっているかを考えました。

「美容に興味がある」「医療に興味がある」そんな高校生の声を多く耳にしますが、その分野の中にはたくさんの学問や職業があるので、安易に「美容」とか「医療」で進路を決めずに、それらをもっと深く探究してみようというワークでした。

働くとは

最後に私から働くことについて少しお話をしました。

働き方には3つのタイプがあります。

3つをABCに分類したとして、Aタイプが生活のために働く、Bタイプがキャリアアップのために働く、Cタイプが天職として働く、とします。

Cタイプの天職と思って仕事をしている人の多くは、自分の志が明確です。

天職、志を持っている人は、“will(したいこと)、 can(できること)、 must(しなければならないこと)”がはっきりしています。

日本人は自分がしたいというwillや夢よりも、must、つまり志の方が見つけやすいという内容です。

自分はどのタイプで働くかをイメージしてもらいたかったことと、職業は手段であり、人生の目的、つまり志は何かを考えてほしいと思います。

生徒の感想

「もっと自分が知らない大学や就職のことを知りたいと思いました。」

「いろいろな進路を考えている中で、いろいろな視点から話を聞けていい経験になった。」

「今までとりあえず専門学校に入りたいと思っていたけど、その先のことまでしっかり考えなければならないと思いました。」

「自分の夢や未来をつくることは大事ということがわかりました。目標のこと、人を見つけることが大切だとわかりました。」

このガイダンスが糸島農業高校の生徒たちが進路について考える、悩む材料になっていることを願います。