福岡農業高校で講演をしました。
6月23日(木)福岡農業高校の1年生に向けて講演をしました。
ユメカツ語録
これは講演会の時に配っているワークシートで、「ユメカツ語録」という名前をつけています。
講演を聞く中で共感した考え、共感しなかった考えを書き込んでいくシートです。
共感するものしないものが蓄積されていけばいくほど、自分の価値観がそこに表れてきます。
それをもとに自分自身の学習観、職業観、志を言葉にすることが最終的な目標です。
高校生へ問いかけ
はじめに、3つの質問に答えてもらいました。
まずは自分の頭で考えることが大事です。
生徒の意見を少しだけ紹介します。
Q.大学、短大、専門学校で学ぶ意義とは。
A.大学はじっくり学んで夢を実現させることができる、短大は短期間で学んで大学より早く夢を実現させることができる、専門学校はより専門的な知識・技術を身につけることができる。
Q.高校で学ぶ意義とは。
A.社会に出て困らないように/大学や就職のため/次のことを始める前の基本を固めるため/義務教育では足りないところを自主的に頑張る/自分のやりたいことを見つけるため。
Q.そもそも何のために学ぶの?
A.社会に出て役に立つような人になるため/自分の未来のため/自分で考える力をつけるため/自立するため/いろいろな道に進めるようにするため。
生徒のみなさんはこのように考えてくれましたが、
私は、よりよく生きるために学ぶのだと思います。
ここでまた生徒に質問です。
Q.では、みんなにとってよりよく生きるってどんな生活のこと?
A.いつでも、いつまでも、したいことを持って生活すること/好きなことだけでなく辛いことも経験できる生活/家族がいて友達がいて、自分が必要とされていると思える環境にいること/当たり前のことを当たり前以上にすること。
一番多かった意見は「自分の好きなこと(仕事)ができる生活」というものでした。
よりよく生きるためには”生きる力”が必要です。
問いが続きましたが、最後にこの”生きる力”とはどんな力なのかを考えてもらいました。
生徒にとっての生きる力は、
一人ではできないことでも周りの助けを借りながら一歩ずつ進んでいく力/何事にも楽しく取り組む力/周りを信頼し、自分も頼られるように努力する力/一般常識やマナーがきちんとしていること/自分で行動する力。
講演のときに毎回思うのですが、このようにワークシートに意見を書いてもらうと、生徒たちから様々な言葉が出てくるのでとても興味深いです。
将来はどうなっていく?
次に、これからの社会がどうなっていくのか、動画を見て考えてもらいました。 このブログの他の記事も見てくださっている方は「よく出てくるアレだな」とおわかりでしょう。
このような内容が語られる動画です。
この動画を見て特に考えられることは、これからは人工知能との戦いをすることになるということです。
例えばレストランで、ひと昔前までは人に注文していましたが今はタッチパネルで注文するお店もありますよね。
機械化され人工知能に奪われる仕事があるということです。
また、今の高校生が40何歳になる2045年ころ、技術革新が進んだ結果、予測不可能な世の中になると言われているということもお話ししました。
どんな力が必要になってくる?
では、こんな社会を生き抜くためにはどんな力が必要なのでしょう。
さっき見た動画にもありましたが、一つの仕事だけをずっと続けるのはほんの一握りの人しかいないと思います。
だから、どんな仕事でも通用する力が必要になります。
ここで、21世紀型スキルの紹介をしました。
21型スキルとは、メルボルン大学、マイクロソフトインテル、米通信機器大手のシスコシステムズらの呼びかけで立ち上げられたプロジェクトが発表した、21世紀に必要とされるスキルのことです。まさにこれからの時代を生き抜くために必要だと言われる能力です。
この中に「学び方の学習」という項目が挙げられていますが、これは正解を自分でつくり続けることだと思います。
正解に”絶対”はありません。
僕たちが習ったのは”1192(イイクニ)つくろう鎌倉幕府”だったけど、今の高校生が習っているのは”1185(イイハコ)つくろう鎌倉幕府”なんです。そんなふうに正解が変わることだってあります。
京都大学の溝上慎一先生は、コミュニケーション能力とキャリア意識のある高校生が、大学や社会に出てから伸びると言っています。
コミュニケーションはわかると思うのでキャリア意識だけ説明すると、ワークシートに書いてもらったのと同じことです。
よりよく生きるってどういうこと?
それをより具体的に考えることがキャリア意識なのだと思います。
大事なこと
自分がどんなふうに生きていきたいのか、なぜ勉強するのかなど、自分一人で考えて言葉にするのはとても難しいです。 いろんな人の考えをたくさん拾って、学習観、職業観、志を言葉にすることが大事です。
考えを拾う練習をするために、最初に紹介した「ユメカツ語録」というワークシートを用意しています。
講演の中でこんなふうにメモをとってくれると嬉しいですね。
おまけ
これは福岡農業高校の行武先生が、先生自身の言葉や著名人の言葉を掲示しているものです。進路指導室の前にあります。
今まで掲示してきたもの(たくさんありました!)を見せてもらって、気に入ったのがこれ。
”咲いた花見て喜ぶよりも 咲かせた根元の恩を知れ”
花を咲かせるためには根や土といった基盤が必要なのと同じように、あなたたちにも基礎学力が必要ですよ、という意味だそうです。
そしてこんなインパクトのあるものもありました。
”キムタクも俺も同じ哺乳類だ!人の才能はそう変わりはない”
これは、人間一人一人の才能にそれほど差はなく、努力次第でどうにでもなる、という意味だそうです。
福岡農業高校1年生のみなさん、ぜひこの行武語録をチェックして、ユメカツ語録にメモをしていってください!